「にっきのれんしゅう」と題して日記を書き始めて約1か月が経過した。「にっきのれんしゅう」は、くどうれいんさんの『日記の練習』という書籍のタイトルからいただいたもので、初めは本当にくどうさんの書籍のタイトルもひらがなだと思っていた。それが後日、漢字であることが発覚したものの、ひらがなのほうがより練習感が出るし、そもそも完全に拝借するのも申し訳ないのだからひらがなのまま続けている。ずっと日記を書いている人にあこがれがあった。日記だったり、何かのログだったりを手帳に毎日付けている人はとても素敵に見える。これまで手帳を買っても使い切ったことがない。それほど予定がないのもあるが、飽きてしまう。それでも懲りずに買ってみたり、諦めて買わずに済ませたりしてきた人生であった。
Notionとの出会いも大きかったかもしれない。今年の4月頃だっただろうか。Notionで仕事のスケジュール管理やプライベートの調べもののまとめを書き始めてみた。もともとデータベース的に管理することに気持ちよさを感じるタイプだし、入れ子構造にできたり、作成したページの順番をあとから操作できることも気に入っている。
9月の終わり頃、前述のくどうさんの書籍を見たころだと思うが、俄然日記を書きたくなった。カレンダー形式で書いた日がひとめで見れたらいいな、と思っていたら、Notionのカレンダーで一瞬でできた。あまりにも一瞬だった。こういうやってみたら何てことがないことも多くて、もっと直感的に動きたいと常々感じている。Notionで日記を書くのは、手書きよりも楽。昔に比べれば、タイプミスが減ったせいもあるかもしれない。無職の間にタイピング練習をやりこんだ成果がここにきて発揮されるとは。人生はやはりすべてが繋がっていて、無駄なことなど何ひとつとしてないのではないかと思わされる。
今年中にやりたいことのひとつに、新潮社の「本の学校」というオンライン講座のエッセイの講座がある。全6回のうち第1回のみ無料公開されていたので視聴したところ、エッセイはもともとフランス語でエセーといい、「試す」「試みる」という意味があるということだった。なんだかとても励まされた気がした。わたしは「もしお金も能力も時間も他人の評価も、そのすべてが手に入るとして、あなたは何をしたいですか?」というような趣旨の質問に対して、「本が出したい」と答えたことがある。具体的な展望など何もないけれど、なんとなく本を出したいと思った。小説ではなく、ノンフィクションだったり、何かの解説や体験談だったり、エッセイだったり、そういうイメージ。その小さな小さな一歩が、まずは「にっきのれんしゅう」と題して毎日文章を書くという試みだったので、エセーの話を聞いてうれしくなってしまったのだった。
ちなみに、くどうさんの『日記の練習』はまだ読めていない。発売してすぐに立ち読みで数ページだけ読み、本の内容の趣旨だけを理解して、こうして参考にさせてもらっている。くどうさんの本はここで買いたい、という書店があるだが、1か月たってもまだ行けていない。しかもすぐ近くでいつでも行けるのに。しかし、ここまで来たら初志貫徹でなんとしてもその書店で買いたいので、他のお店で見かけても買いたい衝動をグッとこらえている。そうこうしているうちに積読という名の生きる希望は日々たまってゆく。
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