【読書キロク】『古代中国の24時間』柿沼陽平・著

読書のキロク

こんにちは!マキさんです!
柿沼陽平著『古代中国の24時間~秦漢時代の衣食住から性愛まで~』を読みました。

先日、「兵馬俑と古代中国~秦漢文明の遺産~」展に行きましたが(そのレポートはこちら→https://www.makisanchi.com/heibayou)、行く前にこちらの本を読んでいたので展示会をより楽しめたと思います。世界史の勉強としてもおもしろかったです。

本の概要

この本では、「もし我々が古代中国にワープしたら。」という設定のもと、現地の人たちに溶け込むために古代中国の人々が朝起きてから寝るまでどのように生活をしていたかが解説されている。時間帯ごとに章分けされており、文体も非常に読みやすい。とはいっても、著者は早稲田大学で古代中国史・経済史・貨幣史を研究されている先生。参考文献も膨大に挙げられている。綿密な研究の成果を一般市民にも提供してくれる一冊。

感想

以前から興味を引くタイトルだったものの読めておらず、兵馬俑展に行こうと思ったのをきっかけに購入しました。本書で兵馬俑が出てくるのは、まずは髪型の話。兵士たちはマゲを結い、階級に応じて冠や帽子をかぶっている者もいます。冠はマゲに固定していたため、年齢を重ねて髪が薄くなってくると苦労したよう…。
もう一か所、兵馬俑の話題があるのは、工人(こうじん)たちが兵馬俑の製作を分業化し大量生産していた話。兵馬俑に刻まれている名前には、宮殿の排水溝や瓦の製造者の名前も含まれているそうで、仕事としてせっせと兵馬俑を作っていた姿を想像しました。

とはいえ、本書は基本的には古代中国の庶民の生活についての本で、兵馬俑は皇帝の墓の副葬品なのでメインのトピックではありません。役人、商売人、農家など様々な仕事の様子や食事や飲み会、お風呂・トイレ事情、結婚生活や子育てなどの日常生活が詳細に、そして時に赤裸々に(笑)記されています。

現代の我々とは時代も国も違うので、読んでいて驚くところもあるけれど、基本的には人間って変わらんな~というのが全体を通しての感想。共感したり失笑したり、古代中国人の悲喜こもごもが知れてとてもおもしろかったです。

コメント