【読書キロク】『モンテレッジォ小さな村の旅する本屋の物語』内田洋子・著

読書のキロク

こんにちは!マキさんちへようこそ!

文庫版『モンテレッジォ小さな村の旅する本屋の物語』を読みました。

本の内容

イタリアの山村には、かつて本の行商人たちがいた。籠に本を詰めて売り歩き、文化、情報、そして革命の志も運んだ。イタリア在住の著者は、ある書店との出会いをきっかけに<モンテレッジォ>という村を知る。現地へ何度も足を運び、村人の話を聞き、あらゆる文献を調査した、モンテレッジォの歴史と今が記された一冊。「文春文庫 オブ・ザ・イヤー2022」にも選ばれている。

感想

内容の前に、まず表紙について。深い深い緑の中に、ヨーロッパ風の家々がぎゅっと軒を連ねている。その一番奥には、塔か時計台のような建物。この写真がとにかく美しい。派手さは全くないけれど、パッと見ただけで目が釘付け。そしてタイトルには「小さな村」「旅する本屋」。好きな感じ~。てゆうか、<モンテレッジォ>って?

しかも最初は、本屋さんが主人公の小説かと思ったんです。本を車に積んで、いろんな所を回りながら売り歩いて、その道中で出会う人たちとの物語、みたいな。とか思いながら裏表紙を読んだら、なんとノンフィクション!これはますます読みたい!(私は小説よりノンフィクションが好きなのです。)

イタリアで暮らす著者が、ヴェネツィアの古書店で知ったモンテレッジォという村に魅了され、大変な熱意を持ってその歴史と現在を調べた。この村について、こんなに詳細に調べたものはまず無いと思う。

モンテレッジォの行商人には、本の内容を読まずとも、その本が人気が出るか分かる人もいたという。

「売れる本というのは、ページに触れるときの指先の感触や文字組み、インクの色、表紙の装丁の趣味といった要素が安定しているものです。…」

p.250より引用

この感覚、私も少しだけ分かるな、と思った。私は、売れる本かどうかは分からないけど、自分に合う本は直感的に分かるという感覚がある。内容以前に、体感的に分かるというか。ピースの又吉さんも「昔は自分が読むべき本が、書店で光って見えた」と言っていたので、同じような感じ?

そしてこの本は、まさにその直感が働いた本だった。私はやっぱり本が好きだし、そして紙の本が好き。そう実感した一冊です。

最後まで読んでいただきありがとうございました!興味を持たれたらぜひ読んでみてください^^

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